新しい時代へ リニア新幹線

平成から令和へなった時に元号は変わりますが、それに伴って鉄道はどのように変わっていくのでしょうか? 令和では、昭和と平成で続けられてきた在来線の長距離新線の建設はほぼ無くなり、長距離鉄道路線の新設は北海道、北陸、九州新幹線の延伸のみとなっています。令和時代の鉄道は、人々の生活の変化に合わせて新駅の開業や従来区間の延伸、鉄道資産を活用した再構築、リニューアルなどを行う成熟期に入っていきます。しかしこれはレールを使用する厳密な意味での「鉄道」に限ったことです。令和時代の最大の行事ははJR東海が令和9年(2027年)に開業を予定している「リニア中央新幹線」といえるでしょう。世界最高速の時速500㌖を誇る日本のリニア技術を活かした長距離路線の実用化は、まさに日本と世界で人々の暮らしに大きな変化をもたらす出来事です。日本の鉄道にまた大きな期待を抱くばかりです。

 

令和時代に間違えなく変化をもたらすのがこの「リニア中央新幹線」です。営業運転速度は時速500キロ、約40分で品川~名古屋間が結ばれます。神奈川県、山梨県、長野県、岐阜県にもそれぞれ駅ができるため、東京~名古屋間もさることながら、これらの県から東京や名古屋へアクセスする所要時間も大幅に短縮されます。運賃は現在の新幹線より1000円前後上がる程度と言われているため、東海道新幹線の代替ルートとして利用できるのもメリットです。乗り換えが面倒になりますが、東海道新幹線の名古屋~新大阪間の所要時間が約50分ですので、品川~新大阪間でトータルで90分、乗り換えを考えても実質100分程度と、大幅に所要時間が短縮できます。

 

リニア中央新幹線が、名古屋駅から大阪まで延伸され、約67分で東京と大阪が結ばれます。ただ、どのルートを通るかはまだ検討中です。飛行機で羽田空港伊丹空港の所要時間が約65分前後なので、なんと所要時間が航空機と新幹線で肩を並べます。さらに羽田空港伊丹空港がそれぞれ都心の中心部から離れており、飛行機は搭乗手続きに時間の余裕を持って行うことを考えると、トータルの所要時間と「乗りやすさ」という利便性でリニアの方が遙かに有利になります。